元請ということ、下請ということ
私は電気、管、建築工事業を営んでいます。大きな職業項目では建設業に分類されます。
一般のお客様は、我々建設業に携っているものを「業者」と呼んで「約束を守らない」「何時に来たか、帰ったかわからない」「養生をしてくれない」「掃除はしない」「取り扱い説明をしてくれない」など、あまりかんばしくないイメージがあります。ではどうしてこのようにかんばしくないイメージがあるのでしょうか?
一般に建物を建てるとき電気工事業者は、元請の工務店から下請けをします。
お客様は、このような建設業界独特の下請け組織を知りません。現場に出入りする職人全員が、元請の工務店社員と思っています。そこでお客様はたまたま現場に行った時に居合わせた我々電気工事の職人に、契約した元請工務店の社員だと思っていろいろと質問したり、「こんな風にして欲しい」などの要望をあたかも契約前に営業担当者、または工務店社長に話すように言ってしまいます。又、契約前の対応と同じような対応をこの下請け職人に期待してしまいます。ところが我々下請けは、お客様からお金を貰うのではなくて元請の工務店社長から貰うのです。ということはお客様にいくら愛想よくしても自分の見入り(収入)に直接関係しない。それどころか、下請けしている現場から現場へとそれこそ時間をかけないように効率よく回った方がよっぽど見入り(収入)がよくなるのである。
このように構造的に業者はそれをすると自分の見入り(収入)が減ってくる。自分で自分の首をしめることになってしまうのです。 長年このような構造に慣れてしまっているので下請け独特の体臭が知らず知らずのうちに染み付いているのです。お客様から「直接仕事をもらう」すなわち元請になるということは、このようなことを十分頭においてお客様に接していかなくてはなりません。
弊社では社員の服装、言葉遣いなどを含めて「元請とはどういうことか」を十分時間をとって教育、訓練し住宅リフォーム元請として仕事をしている今日この頃です。
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